無線綴じとは
無線綴じとは、背の部分を製本糊で固めて綴じる製本方法です。無線綴じの名前は、針金や糸を使用しないということに由来します。この製本方法では、背の部分を裁断、糊がつきやすいように機械で背に凹凸をつけます。その後、製本糊で製本します。厚みが出る冊子などに向いており、糊がつくエリアが最低3㎜程度は必要です。
無線綴じの種類
EVA製本
接着剤は、エチレン酢酸ビニル(EVA)という合成樹脂でできたホットメルトを使用する手法です。背が接着剤で綴じられているのでページを完全にノドまで開くことはできません。144ページ前後まで製本が可能です。
PUR製本
ポリウレタンリアクティブ(PUR)という接着剤を使用する製本方法です。200ページ前後まで製本が可能です。
アジロ綴じ
厚みのある場合の綴じ方です。200ページ前後まで対応できます。機械で処理する背の部分切り込みが、細かく入れることで、より接着剤を深く染み込ませます。このため、EVA製本に比べ、さらに開きにくくなります。
無線綴じがよく用いられる冊子
ページ数の多い商品カタログ・マニュアルテキスト
卒業論文・文庫本・小説・作品集・辞書・コミック誌 など。
無線綴じのメリット
100ページ以上でも製本ができる
無線綴じでは、背に糊が付けばページ数が100ページ以上であっても製本可能です
ページ数の制限が緩い
中綴じは4ページ単位でしか追加ができません。無線綴じでも、16ページ単位での追加が基本です。しかし、糊付けを工夫すると、表紙4ページ+24ページといった構成でも製本できる柔軟性があります。
本棚に冊子を並べたときに見つけやすい
ある程度ページ数がある印刷物を無線綴じにすると、背の部分に厚みがあるため、見つけやすく整頓しやすい本が出来上がります。
無線綴じのデメリット
背の幅が小さいと綴じが不安定になる
綴じる印刷物のページ数が少ない場合などには、背の幅が小さくなります。背の幅が小さいと、つけられる糊の量が少なくなるため、ページが取れてしまう可能性があります。
ページの開きが悪いのでノドの部分が見えない
中綴じに比べると、開きが悪いため、ノドの部分が見えづらいです。見開きデザインの場合、中央に見えない部分が出きてしまいます。
中綴じに比べ費用が高い
無線綴じは、準備時間や資材の関係で、一般的にコストが高くなります。
中綴じに比べ納期が長い
一般的には中綴じより納期が長めになる傾向にあります。当社の場合、●程度の違いがあります。
保存状態により、接着部分が壊れやすくなる
高温になると、糊が軟かくなってきて綴じが崩れてしまったり、ページが抜けてしまったりすることがあります。屋外やアスファルト舗装された地表面に近いところなど、高温になる場所に、印刷物を置いてあると、綴じが崩れてしまうということです。